民泊の日数制限が厳しくなったら|旅館業・下宿営業・賃貸の組み合わせ方
住宅宿泊事業(民泊)の日数制限が厳しくなっても、物件の活用を諦める必要はありません。旅館業への転換、1か月以上の「下宿営業」、寝具を提供しない賃貸方式。使える制度と、それぞれの注意点をまとめました。
住宅宿泊事業(民泊)の日数制限が厳しくなり、「これからどうすればいいのでしょう?」という質問が増えています。
民泊の日数制限が厳しくなったからといって、物件の活用を諦める必要はありません。使える制度を順番に見ていきます。
まず検討したいのは、旅館業への転換
「この物件では旅館業の許可は無理」と言われた物件でも、実は防火戸など、ドア1枚の改修で条件を満たせるケースがあります。
最初から諦めず、何が法令上の障害になっているのかを確認することが大切です。
住宅宿泊事業と組み合わせる2つの方法
次に考えたいのが、住宅宿泊事業と組み合わせた物件の活用方法です。大きく分けて2つあります。
① 旅館業(下宿営業)― 1か月以上の長期滞在
1か月以上の長期滞在なら「下宿営業」がおすすめです。
旅館業法 第2条第4項:「下宿営業」とは、施設を設け、一月以上の期間を単位とする宿泊料を受けて、人を宿泊させる営業をいう。
② 賃貸業 ― 寝具を提供しない方式
1か月未満でも賃貸借契約は可能です。
旅館業法 第2条第5項:「宿泊」とは、寝具を使用して前各項の施設を利用することをいう。
そのため、寝具を提供しない賃貸方式も検討の余地があります。
ただし、借主が寝具を持ち込めば必ず旅館業法の適用外になるわけではなく、実際の営業内容によって判断されます。
補足:ネットカフェのような営業形態
寝具を置かず、ひざ掛け程度にして、ネットカフェのような営業形態にする方法も考えられます。
ただし、パソコンを設置してインターネット利用サービスを提供すると、ネットカフェ等を対象とする別の条例が適用される場合があります。
まとめ:使える制度を組み合わせる
- 旅館業 ― ドア1枚の改修で許可の条件を満たせることも
- 下宿営業 ― 1か月以上の期間を単位とする長期滞在
- 賃貸業 ― 寝具を提供しない方式
それぞれの法令上の条件を確認し、使える制度を上手に組み合わせることが大切です。
行政窓口で「できません」と言われても、まずはその法的根拠を確認しましょう。
【免責事項】本記事は、法令に基づく一般的な情報提供および個人的な見解であり、特定の営業形態について適法性や許認可の取得を保証するものではありません。実際の適用法令や必要な手続きは、物件の条件、営業実態、自治体の条例等によって異なります。本記事の情報をご利用になる場合は、ご自身で法令および事実関係をご確認のうえ、自己責任でご判断ください。
この記事は、稲岡泰宏が Facebook グループ「民泊型旅館業交流会」 に投稿した文章(2026年11月4日)をもとにしています。